イタリア、難民・密入国の急増対策に「苦心」

re_94_1_1地中海に浮かぶイタリア領の小さな島で、毎日遺体が収容されている。遺体の数は既に三百五十人を上回った。犠牲者はリビアやチュニジアからEUへ渡ろうとする人々で、ソマリア人、チュニジア人が大半だという。海路で地中海を渡り、西ヨーロッパへ密入国しようと試みる人々はこれまでにも大勢いた。地図で眺める分には、地中海なんて琵琶湖のちょっと大きい程度だと錯覚する向きもあるかもしれないが、ここは間違いなく海である。岩礁が数多あるだけに海流の流れは難しい。ずっと以前にコルシカ島の項で、海軍でさえ遭難することがあると書いたことがある。日常的に越境を試みる船はこんな小さなものだ。近寄ってみると・・・ 船倉の映像もあったが、同じようにぎっしりと人がたむろし、横たわる余地はない。さすがに奴隷売買船のように人が井桁に組まれてはいないが。今回の遭難船には四百人か五百人乗っていて、途上で火災を起こしたらしい。かくて、この小さな島に連日溺死体が打ち寄せられることになった。アフリカ大陸からEUを目指す密入国の試みは日常的な出来事である。今回はたまたま死者が多かったのでマスコミが大きく取り上げることになっただけのようだ。イタリアの国境警備隊は、もうとても密入国者を取り締まれないとEU本部に泣きついているが、人道問題が絡むとあって、ブリュッセルも明確な態度を示せずにいるようだ。この報道では、カダフィの頃は出国者の取り締まりが厳しかったから、EUへの密入国者は阻止されていたと語っていた。それは、そうなのかもしれないけど、せやけど、「アラブの春」って、結局一体なんやったん?と、あらためて思わざるを得ない。「極悪お代官様を引きずり下ろし、民主国家ができるんやで~」と、日本のマスコミは伝えていたんではなかったんかいな(フランスでも同じだったけど)。その「民主政権」から命がけで脱出しようとする人々が日常的にいっぱいいる(マリは未だ内戦状態だけど)。ずいぶん前の報道(日本の、ではございません)で、アフガニスタンの一市民がカメラに向かって言ってた。「以前は締め付けが厳しかった。でも、泥棒も強盗もいなかった。規律を守っている分には安心して生活できた。でも、(米軍介入後の)今は違う」、と。(元都知事の)猪瀬氏の言う「喧嘩ばかりしているアラブ」地域ってのは、一歩引いて俯瞰してみれば、オスマン帝国の図版に当て嵌まる。弱体化しつつあったオスマン・トルコ帝国に手を突っ込んだのは英国だった。映画「アラビアのロレンス」はそれを民族独立運動に助力したと美化して描いているが、さてはて、そうだったのか。第一次世界大戦でオスマン帝国を崩壊させた後、パレスチナ地域を自国統治領としたのも英国だった。その地域こそが今、アラブ・イスラム地域の最大の火種となっている。英国政府、あるいはそれを動かす裏の力は何を企んでいるのだろうか。ちなみに、「テロ」の巣窟と西側資本主義諸国が名指しで批判するイスラム軍事勢力の根源がCIAによって作られたというのは既に定説。ロシアのアフガンへの南下阻止というのがお題目だった。その組織が鬼っ子となって資本主義勢力に楯突いているんだろうか。それとも、それは「意図された鬼っ子」なのだろうか。その「鬼っ子」が、それこそ当初の意図に反してイスラム版図を再び築き上げたとしたら、歴史の記述は彼らの側から書き換えられ、現在資本主義勢力が「テロ」と呼んでいる行為は全て「独立のためのレジスタンス」とか、イスラム風十字軍とか呼ばれることになるんだろうな。歴史は常に、力で勝利した側からの記述で表される。参照記事 上記記事は昨年10月の事件のもので、今年は5.988万人の難民がイタリアに入って来たと明かした。これは2011年度に入って来た難民の数に相当する水準である。この中の5.3万人以上がイタリアのシチリア島を通じて入国した。彼ら難民と密入国者が巻き込まれる海難事故や飢え、暴力などの人道危機にイタリアが振り回されている。イタリア海軍は毎月900万ユーロを投じ、地中海で難民船の救助作業をくり広げているそうな。夏である7−9月は「ボート・シーズン」で、ボートに乗って流入する難民の数は更に急増するものと予想される。参照記事 日本の近未来かもしれない。中共が瓦解すれば長崎県の五島列島あたりに中華難民が殺到するだろうし、朝鮮有事には対馬に韓国人が殺到するだろう。自国領海に勝手に入り込み、難破したりボヤ騒ぎ、果ては刺し合ったりして死体が流れ着きだせば、(涙目の)イタリアみたいに人道支援予算を割かなきゃならん羽目になる(大変だぞ)。

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