この獲物(人間)は買い取れません!

電気火傷はジュール熱によって蛋白質が凝固し、皮膚・腱・骨膜・骨関節などに組織壊死を起こす。『低圧電気取扱安全必携』(中災防) 「電気工事士」と称する資格を経産省が出している。縦割り行政と非難される要因とも言えるが、厚労省も「電気取扱」と称する資格を準備している。前述の本に記載される【離脱電流】という項を見ると、誤って裸電線を掴んでも、自分の意思で離すことができる最大電流値とあり、通電時間に関係ない領域として5mA(成人男子では10mA)と記載。また、人体内部抵抗は印加時間に関係なく、手-足間でほぼ500Ωとある。湿度に左右されやすい質の悪い絶縁体とも言える皮膚が川遊びで濡れていたと仮定すると、トランスで昇圧された2次側400Vでは800mA も流れてしまうことになる。つまり、濡れた体で裸電線に触れると逃れられない。その前に電流供給能力を確認しておこう。トランス2次側で4倍の電圧を欲すれば、1次側の電流は4倍必要になる。2次側で800mA 流すには1次側で3.2A必要。トランスの1次側は家庭用コンセントに繋がれてたそうで、15Aの子ブレーカーを介してたと仮定しても、大人4人を一斉に感電させたってブレーカーは落ちなことが判る。報道で漏電ブレーカーを介してなかった点を強調している模様だが、的外れな話である。素足で訪れる獣に電撃を喰らわせるのであれば、電線の一端を電気柵の裸電線に繋ぎ、残る一端は大地に突き刺す!。大地に突きささなくとも、側の小川に残る一端の電線を垂らすだけでもよい。つまり、漏電ブレーカーが動作しない結線であることは馬鹿にもわかる。これは、漏電でなく感電を目的とした結線方法で、確実に獲物を仕留める罠を仕掛けていたんだよとな。前述の本の最後の項に災害事例が列挙されているのだが、低圧(400V)での感電は意識が飛ばないので、悲鳴を上げ続けている修羅場のようだ。電路に指が触れた途端、体の自由が奪われ、細胞が弾け、体液が沸騰しだし、己の体から肉の焼けた匂いが出始めるとか、小学生の子供には辛い現実だ。一縷の望みをかけて【心室細動電流】という項を見ると、(心室細動の発生限界となる電流値で)心室細動が起きてしまうと他人が感電状態を解消しても死に至るとあり、通電時間10ms で500mA と記載(500ms で100mA、1s で50mA、10s では40mA)。つまり、西伊豆の800mA では助かる余地が無いのだが、亡くなられた御両名が心室細動による即死であればと思いを馳せるしかないのが悲しい。 ポツポツと情報がネット上に出ているようだが、あの界隈は害獣である鹿駆除に5千円の懸賞金が出るそうで、肉の換金分とあわせれば1頭3万と計算できる模様。柵を設置した70代の男性が取材に応じ「(亡くなった人に)本当に申し訳ない。死んでわびたい気持ち」と事故後の心境を語ったそうだ(彼は役所で電気技師として働いてたことも判ってきた)。死にたいのは親と自分の指を失い、身体障害者として後の人生を全うしなければならない小学生だよ。 過去ブログ:2014年11月17日 「この餌を・反芻したら・くたばるぞ」

【追記】静岡県西伊豆町で男性2人が死亡、子供2人を含む5人が重軽傷を負った感電事故で、原因となった電気柵を設置した男性(79)が8月7日午前8時過ぎ、自宅の庭で首をつっているのを妻が発見し、警察と消防に通報。男性は搬送先の病院で死亡が確認された。遺書は確認されていない。自殺とみられる。参照記事 敢えて逮捕せず、自害を待った結果が実った模様。これで行政の不始末を隠すのであろう。参照記事 最後まで後味の悪い騒動であった。

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