シリア軍パイロット「拘束」

一つの戦争の終結は、結末がいかなるものであろうとも当事国間に一応の平和をもたらすものには違いなかろう。しかし同時にそれが新たな危機の始まりであることに、ほとんどの人聞は気がついていない。かつて米軍が南ヴェトナム撤退時に同国に供与した膨大な量の兵器は、ごく一部を除いて、南北統一後に使用された形跡はない。小銃一つをとってみても、現在でも米軍で使用されているM-16が、戦争終結時には百万丁もあったと言われるが、これらの武器がどうなったか‥‥その行方は今も分かってはいない。これは一例に過ぎず、ヴェトナム戦争終結から三十余年、その後に起きたおおよそすべての戦争や紛争、あるいは内戦で、同様の事態が起きているのだ。兵器は実戦で使用されて初めて評価が定まり、いったん有効と評価を受けた兵器には、当然のごとく需要が生ずる。当時とは比べようもなく遥かに進歩した膨大な量の兵器が、誰にも管理されないまま存在し、そしてそれは用途の如何を問わず経済原則にのっとって取引され、密かに闇のルートで世界中に流通している。《楡周平「クーデター」(角川文庫)》

過激派組織IS(イスラム国)系のメディア「アマク通信」は22日、シリアでIS戦闘員が「飛行機を撃墜し、パラシュートで脱出したシリア空軍の男性パイロットを拘束した」と報じた。同通信はパイロットの名前や出身地にも言及している。在英のシリア人権監視団によれば、首都ダマスカス東方で戦闘機が墜落したが、攻撃によるのか故障なのかは不明という。シリア軍の戦闘機は、今月5日にはISとは別の過激派である「ヌスラ戦線」に撃ち落とされ、パイロットが捕らえられた。参照記事 これに関連しそうな記事もあった。 侵略勢力は戦闘員を送り込むだけでなく、武器/兵器の供給にも力を入れている。ここにきて注目されているのは携帯型の防空システムMANPADだ。2月19日付けシュピーゲル誌に掲載されたサウジアラビア外相へのインタビュー記事によると、戦況を一変させた空爆に対抗するため、地対空ミサイル、つまりMANPADを供給しはじめたという。参照記事 故ダイアナ妃をも悩ませた遺棄地雷の問題と同様、ばら撒いた連中が責任を持って回収しない点である。地雷と違って安い装備でもなかろうに、異国の不確かな連中に渡している不届き者がいる。装備が流れに流れて、民間の国際空港を離陸しようとしている旅客機に向けて撃つテロリストに渡ってしまう事態もあり得るというのにだ。

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