邦画は見ない主義だった

審査委員長だったらしいケイト・ブランシェットがぎゃあぎゃあ言ってたんで見てきました。ストーリーは凡庸で、監督らが色々と小細工しているシーンが多く見受けられるフツーの邦画。ただ、初めて目にした安藤サクラ(妻の信代役)の演技が凄すぎた。旦那の治(リリー・フランキー)が拾ってきた小娘と接するとき、常にしゃがんで視線を揃える様が自然すぎる。縁側で小娘を後ろから羽交い締めに抱擁するシーンが切なすぎる。審査委員なんて、日本の事情に詳しいわけもなく、字幕を介して流れを掴んでいく以上、万国共通の哺乳類が有する愛情表現、いや肌の触れ合いかたの出来映えは重要となる。信代が旦那を誘うシーンも凄かった。あんな事をされたら、如何に疲れていようと応じます。どんな男でもね。ちょっと待てよ、演技派であるはずの樹木希林(祖母の初枝役)が並みに見えてたというのも、信代の出来映えの凄さだったのかも知れない。結果として最大の見せ場になってしまった信代が泣くシーン、胸が掻きむしられた。近年稀にみるシーンだった。日本語が分からなくたって、字幕の出来が悪かったって関係ない。ただ見ればわかる、その凄さが。 何度も書くけど、ストーリーは凡庸で洒落たセリフも見当たらない。ミエミエの小細工に落胆したって、この映画には安藤サクラがいる。パルムドールの価値も分かりませんが、賞は作品がとったのではなく『安藤サクラがとった』と言って良いと思う。よかった。

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